結城、稲毛が個人戦連覇!-2012年度インカレミドル

3月9日、栃木県日光市の『日光所野2013』を舞台に「2012年度日本学生オリエンテーリング選手権大会ミドルディスタンス競技部門(以下、インカレミドル)」が開催された。選手権は結城克哉(東京4年)、稲毛日菜子(お茶の水女子2年)が制し、12月に行われたインカレロングに続く個人戦連覇を果たした。

この時期の日光市と言えば雪が残り相当寒い印象があるが、今年は晴天にも恵まれて春の陽気を感じさせた。その反面、花粉の量が多く、花粉症の選手にとっては厳しい環境だったことだろう。『日光所野』は1999年度のインカレショートが行われたテレインで2003年からクローズとなっていたが、今回10年ぶりの復活となった。日光のテレインというと、特に若い世代は『日光和泉』や『日光例弊使街道』など平坦なテレインを思い浮かべる方も多いと思うが、『日光所野』は斜面が急な箇所も多く、本大会のトレーニングテレインにも指定されている隣接テレイン『不動の滝』に似ている。

レースは、一般の部と選手権Bから始まった。例年通り、選手権Bのコースは最後の会場周りのレッグを除いて選手権Aと共通であり、選手権Bのタイムにだいたい3~4分加えたものが選手権Aのタイムになる。よって、選手権B上位タイムは選手権Aの中にあってもそこそこの記録となる。MEBは中島正治(横浜市立4年)が46′48、WEBは宮川早穂(立教1年)が45′03のタイムで制した。特に、ロング準優勝の宮川のタイムは後続を10分以上離す圧倒的なもので、選手権Aでの入賞ライン、またはそれ以上のタイムと想定された。

最終前の17番コントロールを通過した、4位の尾崎弘和(早稲田2)

最終前の17番コントロールを通過した、4位の尾崎弘和(早稲田2)

11:45に選手権Aがスタートし、最初に会場に届いた速報はMEAの戸上直哉(東京工業1年)、寺田啓介(京都4年)、宮西優太郎(東北1年)の中間通過であった。中間通過タイムは優勝想定で20分だったが、宮西が19′50…最初の通過者がいきなり好タイムを叩き出した。しばらくの間20分を切る選手はなかなか現れなかったが、その後、尾崎弘和(早稲田2年)が宮西の中間記録を19′44に塗り替えて41′13でフィニッシュ。以下、宮西(41′51)、後半調子を上げた杉村俊輔(東北2年、42′52)と続く。

一方、WEAは星美沙(椙山女学園2年)が34′38のタイムで最初に中間を通過した。その後も選手が続々中間を通過するが、 優勝想定で25分に対し35分越えのタイムがしばらく続く。運営想定より厳しいレースになっているかと思われたが、女子はシード選手の3人がやはり頭一つ抜き出た実力を有しており、彼女らが25分台を出してくるかが注目された。

女子は後半で記録更新ラッシュ!

130309ws

WE 上位ルート(提供:山川克則)

WEAのレースも中盤にさしかかった頃、ロング入賞の大河内恵美(横浜市立3年)が30′20とようやく星の中間通過タイムを塗り替え、その後、芦澤咲子(相模女子4年)が29′14、高橋美誉(岩手3年)が26′36とタイムを更新していく。そして、ラストスタートの稲毛日菜子が登場し、その中間通過は23′27…圧倒的なタイムに、会場ではどよめきが起こった。女子の上位は、中間からの順位変動はほとんど無く、稲毛がロングに続き後続を引き離して43′29で優勝した。以下、高橋、芦澤とシード選手が続き、4位には田中千晶(お茶の水女子3年)、6位には大河内と、2人ともロングに引き続き入賞した。また、5位には小泉佳織(津田塾4年)が入賞した。

レース後、稲毛は「(昨年と比べ)今年のミドルの方がコースとしては難しく感じた」と語っていた。「昨年はテレインこそ難しかったものの道が近いと感じていた。今年のコースは尾根や沢を切る箇所も多く、集中力が必要だった」とのこと。しかし、レース中は反省点こそあるものの集中して走れていたようで、注目選手としてのプレッシャーをはねのけて個人戦連覇を果たした。

男子は東大がトップ3独占!

130309ms

ME 上位ルート(提供:山川克則)

女子選手は人数が少ないため、WEAの優勝が決まってもMEAの勝負はまだまだ決まらない。しばらく尾崎が1位だったが、彼の記録を更新したのが東大の3選手だった。最初にフィニッシュしたのは結城克哉で、タイムは39′29…ついに40分の壁を破る。その後40分を切る選手は現れず、結城の優勝が確定した。準優勝は真保陽一(東京3年)、3位は三谷洋介(東京4年)と、東大の選手がトップ3を独占した。以下、尾崎、宮西、杉村が続いた。

結城は、2月の山リハで東大チームが負けたことを反省し、走行距離を増やしてインカレに臨んだという。 ウォーミングアップのときに「体の動きがよい」と感じており、その勢いをそのままレースに持ち込めたそうだ。「後半の10→11で地形が平らになるあたりの対応がいまいちだったが、それ以外は1レッグを大切に走るいいレースができた」とのこと。3、4年のロング連覇に続き、3回目の個人戦優勝を果たした。

ミドル女子優勝の稲毛日菜子(お茶の水女子2)と男子優勝の結城克哉(東京4)

ミドル女子優勝の稲毛日菜子(お茶の水女子2)と男子優勝の結城克哉(東京4)

速報より

MEA – 4.8km ↑275m
1 結城 克哉 0:39:29 東京4
2 真保 陽一 0:40:28 東京3
3 三谷 洋介 0:41:02 東京4
4 尾崎 弘和 0:41:13 早稲田2
5 宮西 優太郎 0:41:51 東北1
6 杉村 俊輔 0:42:52 東北2
MEB – 3.7km ↑205m
1 稲毛 日菜子 0:43:29 お茶の水女子2
2 高橋 美誉 0:47:34 岩手3
3 芦澤 咲子 0:48:03 相模女子4
4 田中 千晶 0:50:32 お茶の水女子3
5 小泉 佳織 0:53:47 津田塾4
6 大河内 恵美 0:54:06 横浜市立3
[photo by fyu]

2 thoughts on “結城、稲毛が個人戦連覇!-2012年度インカレミドル

  1. 結城のルートを細かくみていくと判るが、無駄な登り、精密さを欠くルートがあり、力ずくで優勝した印象だ。それが翌日に一分の可能性を突かれ、東北大の歴史に残る大逆転を許したようにも思う。オリエンテーリングは心技体どれも切れていないと真に強いチャンプとは言えない。まだまだ高みへの道は遠いし、勝って負けた事によりオリエンテーリングをやめられなくなったことだろう。

Comments are closed.