3連休の最終日、盛り沢山の内容-ES関東クラブ バレンタインスプリントO

ES関東クラブ主催のJOA公認バレンタインスプリントオリエンテーリングが11日、東京都八王子市の「上柚木公園」で開催され、2つのレースに加えタイムトライアルも行われるなど盛り沢山の内容となった。

今回の会場となった上柚木公園陸上競技場は(公財)日本陸上競技連盟の第二種公認[]を受けており、今大会のためにスタンドの施設も含め貸し切られての大会開催となった。

[※]日本陸連による競技場の公認は第一種から第五種までの区分があるが、第一種と第二種との大きな違いは収容人員(第一種は15,000人以上、第二種は5,000人以上)であり、上柚木公園陸上競技場も日本選手権や国際大会が開催できる第一種公認の競技場と同じ全天候型のトラックを有している。

○JOA公認レースM/W21Aは寺垣内と皆川が優勝

午前はJOA公認レースが行われ、M21Aは寺垣内航(31・京葉OLクラブ)が、またW21Aは皆川美紀子(31・みちの会)がそれぞれ優勝した。皆川は2位の高橋美誉(21・岩手大学OLC)に2分24秒差を付ける圧勝。

表彰式インタビューで寺垣内は「日本のスプリントとは思えないような、ルートチョイスのある楽しいレースができた」と感想を述べ、皆川も「立体的な箇所もあって”どこを通ろうか…”と悩みながら走った。スピードを出して走る区間と落ち着いて地図を読む区間とがあり凄く楽しかった」とレースを振り返った。

またW21Aで2位の高橋は「私のすぐ後のスタートが皆川選手で、追いつかれた時はスピードの差を感じた。」と話した。3位の山岸夏希(16・公文国際学園)も「立体的なコースが苦手なので慎重に行こうと考えていたが、やはりコントロール周辺でうろうろしてしまった。道走りでは自分に負けない様に頑張って走った」と話し、今後の抱負を聞くと「スプリントは苦手だったけど自信がついた。登りでもスピードを落とさず走れる様になりたいし、心も強くして行きたい」と、2人とも笑顔を見せながら快活に答えてくれた。

M21A入賞者。左から2位の真保、優勝の寺垣内、3位の加藤

M21A入賞者。左から2位の真保、優勝の寺垣内、3位の加藤
W21A入賞者。左から2位の高橋、優勝の皆川、3位の山岸

W21A入賞者。左から2位の高橋、優勝の皆川、3位の山岸
「これからは高橋さんがライバルですっ!」と話す山岸選手(左)と、余裕の笑顔で応じる高橋選手(右)

「これからは高橋さんがライバルですっ!」と話す山岸選手(左)と、余裕の笑顔で応じる高橋選手(右)

○「勝負の分かれ目?」ロングレッグ分析

スプリント競技の肝である素早いルートチョイス力を試すコースがこの公園の造りを活かして設定され、なかでもM21Aの8番→9番、W21Aの7番→8番(いずれもコース内最長の同一レッグで、ラップセンターの難易度指数も300を超える断トツの値)では上位選手でも選択ルートが分かれた。

M21A、8番→9番の地図。赤が寺垣内、緑が真保、青が加藤のルート

M21A、8番→9番の地図。赤が寺垣内、緑が真保、青が加藤のルート

A(プログラムに記載された横断可能地点)を経由すると遠回りで無駄な登りが増えてしまう事が、道路上に記載された等高線(逆トの字)から読み取れるだろう。ここはB(橋をくぐり、柵や植込みをぬってその橋を渡れる)を経由し、スタート地点から競技場に入るのが登りも少なく最短のルートである。

M21Aでは優勝の寺垣内がAを経由(ラップ2:09で2位)、2位の真保(同2:06で1位)と3位の加藤(同2:12で3位)はBを経由した。またW21Aでは優勝の皆川(同2:53で2位)と2位の高橋(同3:05で3位)がBを経由し、3位の山岸(同2:50で1位)はAを経由している。

もちろん一概に言う事はできないが、男子の寺垣内がBを経由していたとすると更なるタイム短縮が計られ、また「道走りで頑張った」と語ってくれた女子の山岸もB経由なら高橋を逆転した可能性が見えたのかもしれない。

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寺垣内選手のルート図
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W21A上位3選手のルート図

○目玉企画「5000m3000mタイムトライアル」

今回は第二種公認競技場を借り切っての大会開催ということで、そのトラックを活かした企画「5000m3000mタイムトライアル」が行われ、5000mの部にはM21Aにエントリーした選手32名が、また3000mの部にはM21A以外の39名が参加した。

5000mは午前のレースのスタート順により2組に分けられ、1組目は鹿島田浩二(42・渋谷で走る会)が17分03秒でトップ。鹿島田は「今日はタイムトライアルに賭けていた」と語っており、フィニッシュ後には仰向けに倒れ込み全力を出し切った様子だった。

続いて行われた2組目には、JOAナショナルチームのフィジカル専任コーチである原田正彦(33・所沢OLC)が黄色の特別ナンバーカードを着用して登場。原田は2002年の箱根駅伝に早稲田大学4年で「花の2区」に出走し区間賞を獲得しており、その走りに注目が集まった。

原田は最初の1000mを3分03秒で通過すると、その他の選手を次々に引き離しては周回遅れにさせる圧倒的な強さを見せ、16分10秒でフィニッシュし鹿島田の記録を大きく上回ってタイムトライアル優勝に輝いた。

また3000mの部には昨年のマスターズ(ドイツ)M80で銅メダルを獲得している高橋厚(82・多摩OL)も出走し、19分20秒を記録した。背筋が伸びた美しい姿勢で淡々とラップを刻む高橋の姿に、スタンドからは多くの声援がかかった。

淡々とラップを刻む高橋厚選手

淡々とラップを刻む高橋厚選手
タイムトライアル1位となり表彰された原田正彦選手

タイムトライアル1位となり表彰された原田正彦選手
フィニッシュ後に倒れ込んだ鹿島田浩二選手

フィニッシュ後に倒れ込んだ鹿島田浩二選手

○午後は優勝設定タイム3分の「スーパースプリントO」

午後からはオリエンテーリングの2レース目となる「スーパースプリントO」が、タイムトライアルに平行して行われた。

スーパースプリントOでは陸上競技場より東側のエリアが使用され、地図の縮尺は1:2,000、コース距離は500~600m、コントロール数も8~11と極めてコンパクトな内容が提供された。

M21Aは堀田遼(22・東大OLK)が3分24秒で2位の谷川裕太(25・OLCルーパー)を2秒差でかわして1位。W21Aは午前の公認レースで3位だった山岸夏希が2位の皆川美紀子に6秒差をつけて1位となった。この結果、総合成績も谷川と山岸が優勝となった。

さらに総合表彰式の前には原田正彦コーチによるクーリングダウンの指導がジュニア選手を対象に行われ、多くの中高生がコーチとともにトラックを走っていた。

スーパースプリントを走る原田正彦選手

スーパースプリントを走る原田正彦選手
クーリングダウンを行う原田コーチとジュニアたち

クーリングダウンを行う原田コーチとジュニアたち
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スーパースプリントOの地図

なおES関東クラブでは今年12月もしくは来年2月に、クリスマスまたはバレンタインデーにあわせた日程で恒例イベントが予定されている他、来年11月には伊豆大島裏砂漠でJOA公認A大会を予定している。日本代表選手やファミリー、若手会員を集め充実著しい同クラブの存在感は更に増し続けて行く事だろう。

以下、速報より、

M21A – 2.8km ↑98m
1 寺垣内 航 0:17:17 京葉OLクラブ
2 真保 陽一 0:17:30 東大OLK
3 加藤 弘之 0:17:44 ES関東クラブ
4 谷川 友太 0:17:50 OLCルーパー
5 堀田 遼 0:18:10 東大OLK
6 長縄 知晃 0:18:21 静岡OLC
W21A – 2.4km ↑73m
1 皆川 美紀子 0:16:34 みちの会
2 高橋 美誉 0:18:58 岩手大学OLC
3 山岸 夏希 0:19:18 公文国際学園
4 宮川 早穂 0:20:34 ES関東クラブ
5 寺嶋 貴美江 0:21:38 ES関東クラブ
6 斎藤 早生 0:22:06 チーム白樺