全国一斉セレ、最大人数区の結果は?-関東・北東学連ミドルセレ(2012)

 12月23日、栃木県日光市において『不動の滝(北)』を舞台に「2012年度インカレミドル関東地区/北東地区代表選考会」が開催され、関東学連は結城克哉(東京大学)、芦澤咲子(相模女子大学)、北東学連は菅野敬雅(東北大学)、高橋美誉(岩手大学)がトップ通過した。

 例年より遅いインカレロングも終了し、各大学はインカレミドル・リレーに目標をシフトして動き出している。12月といえば各地区学連でミドルセレが行われる時期だが、12月23日は関東・北東学連のみならず、愛知で東海・北信越学連、奈良で関西学連がミドルセレを行っており、奇しくも全学連で一斉に選手選考が行われることとなった。

各地区での選手選考会情報は以下の通りである。

北東学連 関東学連 北信越学連 東海学連 関西学連
テレイン 不動の滝(北)@栃木 昭和の森@愛知 大柳生@奈良
出場枠数 選手権A 男子 12+1 19+2 4+1 8 7
女子 6+1 8+2 2 3 1
選手権B 男子 17 21 7 8 7
女子 7 10 2 5 6

※+以降は個人実績枠の数。

 関東・北東学連の出場枠は全出場枠の半分をゆうに超えており、インカレミドル出場選手の大部分はこの日光ミドルセレで決まってしまうことになる。関東学連では推薦制度を設けているため、上記よりも各クラス1~2名少ない人数が本大会の結果で選出され、残りは推薦により決定される(推薦が無かった場合、本大会の結果で繰り上げ選出となる)。一方、北東学連は推薦制度が無く、本大会の結果のみで全選手が選出される。

 

 本大会のテレイン『不動の滝(北)』は、今年度のインカレミドル・リレーの隣接テレインであり、インカレの要項では「トレーニングテレイン」として推奨されている。選手選考会を行うにふさわしいテレインといえるだろう。コースもミドルらしく、高速レースを基本としながらも、要所要所で気をつけて地図を読まないとアタックでもたついてしまうものが提供された。コースプランナーの田邉拓也は「(このテレインは)3年前に関東ミドルセレが開催されているので、その時のコースとかぶらないようにすると回しがだいぶ制約されてしまった。難しさとテンポの良さを意識してコースを組んだが、体力的要求は高くなってしまったかもしれない。しっかりスピードを出して走って欲しいコース」と語っていた。各選手は、田邉の意図通りにスピード感のあるレースができただろうか?

 
121223kms

関東男子

 まず、関東学連の結果を見てみると、男子は、インカレロングで大接戦を繰り広げた結城克哉・真保陽一(東京大学)・尾崎弘和(早稲田大学)の3人による上位争いとなったが、その中で最速の巡航速度を出した結城がほぼ優勝設定時間通りのタイムで制した。結城は「インカレロングではショートレッグが遅かったので、最近の練習ではその対策をしている。今まで地図をよく読み過ぎる癖があって思い切りが悪かったので、直進の距離を長くしてその分地図読みに使う時間を短くしている」とのこと。今回のレースではその辺りがうまくこなせたようで、立ち止まることも少ない走りができたそうだ。更なる成長を続けるインカレロングチャンプ…今年はミドルの優勝も獲るのか、だが、結城に劣らず他の選手の実力も高い。関東男子の結果1つを見るだけでも、春インカレも熱い戦いが期待できそうだ。

121223kws

関東女子

 一方、関東女子は、インカレ優勝経験のある芦澤咲子と稲毛日菜子(お茶の水女子大学)の両選手がスタートリストにおいて連続で配置されているという珍しい展開。シード選手制を採用していないためこういったことが起こるのも当然あり得ることだが、これは両選手に、また近い時間帯にスタートする選手に、独特の緊張感を与えたのではないだろうか。先日のインカレロング準優勝の宮川早穂(立教大学)はインフルエンザのために欠場となってしまい、優勝争いは芦澤と稲毛の一騎打ちになると予想された。実際のレースにおいてもこの2人が3位を10分近く離し、1位が頻繁に入れ替わる展開となったが、最終的には芦澤が競り勝った。芦澤は「ミスを徹底的に抑えたレースをする」という目標を掲げてレースに臨んでおり、レースに対するシミュレーションを豊富にこなしていたこともあって、目標通りミスの少ない落ち着いた走りができていたようだ。就活をはさみ8月からオリエンテーリングを再開した芦澤は、急激な勢いで再び実力をつけてきている。

 
121223hms

北東男子

 続いて、北東学連の結果を見てみよう。男子のコースは、関東男子と似たものだったが、若干難易度が高いレッグが多い印象を受けた。レースは、これもまたTop3はインカレロング上位陣が独占し、菅野敬雅、宮西優太郎、関淳(いずれも東北大学)の順となった。菅野はミスなく走れたとのことだったが、「13→14の途中で転んだ拍子に、両足をつってしまった。調整不足だろう」と話している。また、レース内容については「全体的にスピードを出して臨んだが、6→7、15→16など、他のレッグに対してスピードを落とさないと危ないところがあったので、そこで止まって対応できたのは良かった。また、3→4などではルートプランから(自分のルートが)ずれてしまったが、その修正がうまくこなせた」とのこと。東北大学は昨年の春インカレ・今年のインカレロングと苦戦が続いている印象を受けるが、春までにどう巻き返してくるかも要注目だ。

121223hws

北東女子

 女子は、開幕△→1でいきなり勝負レッグが待ち受けているコース。ここでいきなりミスをしてしまい、そのミスを引きずったままレースを終えてしまった選手もいるようだ。優勝した高橋は、このレッグはうまくこなせたようだが、直後の1→2で直進中に隣接コントロールにつられて方向を変えてしまい約4分のミス。しかし、その後トップラップを連続させて復活した。高橋は「走るべきところを走り切れなかった。ナビゲーションはそれなりにできたが、トレーニング不足でスピードを上げきれなかった」と話した。就活も控えており、高橋にとってはこれから厳しいレースが続くかもしれない。しかし、「(岩大の)後輩3人が選手権Aを通ったので、就活ばかりと言ってられない。先輩としては後輩を引っ張り、春まで岩大全体でレベルアップしていきたい」とも語っている。

 勝負の春インカレまではあと2ヶ月半。今回セレクションを通過した選手も、通過できなかった選手も、それぞれがまたインカレの舞台で熱い走りを見せてくれることを期待したい。

男子の勝負レッグ15→16

男子の勝負レッグ15→16

 関東・北東男子の15→16はプランナーの田邉が勝負レッグとして設定したそうだが、その意図通り、レッグ分析によると関東・北東共に難易度500超えとなっており、多くの選手がミスをした様子がうかがえる。上位選手も、結城、真保共に、「手続きを怠るとミスを誘発しそう」、菅野も「高さを把握しないと、どこにいるか分からなくなってしまう」としてレース中警戒して臨んだ模様。

 この日の夜から行われた東北大冬合宿では、ミドルセレの反省時にこのレッグが取り上げられ、難しい要因としては「比較的距離が長く、また現在地を確定できないままアタックしなければならない」「前半が平坦なため、そのままの高スピードで突っ込むと、後半で現在地の把握が追い付かなくなる」といったものが挙げられていた。ここをうまくこなせたかどうかによっても、自身の実力を測ることができるのではないだろうか。

速報より

Kanto_Ms 3.8 km ↑315 m
1 結城 克哉 0:31:50 東京大学
2 真保 陽一 0:32:56 東京大学
3 尾崎 弘和 0:35:52 早稲田大学
18 村瀬 貴紀 0:43:00 筑波大学
18 田村 晃太郎 0:43:00 東京大学
=== ここまで選手権A出場権獲得 1名推薦あり ===
39 山本 淳史 0:46:46 東京大学
=== ここまで選手権B出場権獲得 2名推薦あり ===
Kanto_Ws 2.8 km ↑200 m
1 芦澤 咲子 0:31:17 相模女子大学
2 稲毛 日菜子 0:32:47 お茶の水女子大学
3 柳川 梓 0:42:18 筑波大学
9 田中 千晶 0:49:26 お茶の水女子大学
=== ここまで選手権A出場権獲得 1名推薦あり ===
18 鈴木 彩心 0:59:09 東京農工大学
=== ここまで選手権B出場権獲得 1名推薦あり ===
 
Hokuto_Ms 3.8 km ↑315 m
1 菅野 敬雅 0:34:10 東北大学
2 宮西 優太郎 0:36:04 東北大学
3 関 淳 0:38:29 東北大学
12 内山 将一 0:44:03 東北大学
=== ここまで選手権A出場権獲得 ===
29 齋藤 遼一 0:58:25 東北大学
=== ここまで選手権B出場権獲得 ===
Hokuto_Ws 2.8 km ↑195 m
1 高橋 美誉 0:38:26 岩手大学
2 中村 聖美 0:42:40 東北大学
3 平方 遥子 0:43:29 東北大学
7 小野 萌 0:48:25 岩手大学
=== ここまで選手権A出場権獲得 ===
14 幸谷 奈津美 0:59:56 宮城学院女子大学
=== ここまで選手権B出場権獲得 ===