最後のクラブカップ、みちの会が優勝!ークラブカップ2010

 クラブカップ7人リレーは19日、長野県駒ヶ根市の『駒ヶ根高原2010』にて最終回として行われ、みちの会が優勝した。またベテランカップでは京葉OLクラブが優勝した。

 第18回ということで18年間続いてきたクラブカップも今回が最終回。それを惜しむように、そして最後の優勝を飾るために、多くの選手が駒ヶ根に集った。
ビジュアル区間など演出のために複雑化していた会場やコースレイアウトをシンプルな形に戻し、リレーオリエンテーリング大会としての基本に立ち戻り今回のクラブカップは開催された。

 事前予想では昨年優勝のES関東Cや今年松澤・稲葉という強力な新会員が入りついにA制限選手となった村越のいる静岡OLCなどが優勝候補に挙がっていた。しかし絶対的に強い!というクラブはおらず今年も混戦になるのではないかと思われていた。

 1走2走はコースプロフィールにて1番コントロールから難しいとされていた。ウィニングタイムは28分となっており、そのとおり27分でNPOトータスAの三谷洋介がトップでチェンジオーバー。続いて1人で7走すべてを走る林真一が1走目のフィニッシュ。その後は集団が続々とチェンジオーバーへ。
この時点では有力クラブもまだ他を引き離すのではなく集団の中で様子を伺っているようだった。

 続いて2走ではOLK30期~赤城の猛獣たち~の大木孝が10人抜きで一気にトップへ。間髪入れずにNPOトータスB(1走トップだったのはトータスA)堀田遼、ES関東C-A小暮喜代志がチェンジオーバーへ。いずれもほぼウイニングタイム通りのいいタイムで3走に繋げる。

 3走は細かいナヴィゲーション能力はほとんど必要なく、体力走力が大きなウエイトを占めるコース。これまで大きな差が付いてこなかったレースがだんだんと動き始めた。ここでトップに立ったのは静岡OLC平井均。チームで2番目の年長者が最高の形で若い新会員へと襷を繋ぐ。東大OLK30期も矢野貴裕がふんばり2位で次走へと繋ぐ。
続いてみちの会A(太田貴大)朱雀OK-A(入谷健元)、渋谷で走る会A(美濃部康世)の3チームがほぼ同時にチェンジオーバー。まだまだ混戦は続く。この走順のウイニングは35分だったが、OLK32期の結城克哉が唯一30分台を出したのみで多くの選手が運営側の想定よりも苦しんだようだ。この時点での順位は1位静岡OLC-A、2位OLK30期~赤城の猛獣たち~、3位みちの会A、4位朱雀OK-A、5位渋谷で走る会A、6位OLK32期。

 4走5走は比較的易し目でありウイニングタイムも短いことから、ここで制限選手を使ってくるチームも多かったようだ。4走でトップに立ったのはみちの会Aの皆川美紀子。先行していたチームを抜き去り続く渋谷で走る会Aに4分の差を付けて5走へチェンジオーバー。しかし2位以降はまだまだ数十秒差の接戦となっていた。まだまだ目の離せない戦いが続く。

 5走ではみちの会A高橋元気が更に差を広げ、2位にはES関東C-Aが上がってくるも差は5分弱。4走で3位に着けていた静岡OLCは入賞チームの中で唯一の大学生女子だった若山亜美里が順位こそ落としたものの入賞圏内に踏みとどまり6位でタッチ。
この時点での順位は1位みちの会A、2位ES関東C-A、3位渋谷で走る会A、4位朱雀OK-A、5位鞍部同好会、6位静岡OLC-Aとなっていた。例年、このあとの6走7走区間でエース級の選手がいないクラブは落ちていったが、ここでのエース対決はやはり面白い。

 6走はここまでの走順から一転、一気に難しくなりある意味7走よりも集中と技術の必要な区間。みちの会はここでNTヘッドコーチでもあるベテラン吉田勉を起用。対しES関東CはWOC日本代表である加藤弘之、そして静岡OLCは村越真といずれも技術力には定評のある選手の対決となった。
ウイニング37分のコースを吉田は40分でまとめ、1位をキープ。加藤もほぼ同じタイムで差は変わらず、代わりに朱雀OK-Aの海老成直、渋谷で走る会の篠原岳夫が2位3位に浮上し、その差は約3分。そして静岡OLCは村越がウイニングタイムを切る35分30秒のトップタイムでタッチし、トップと7分差。ちょっとしたミスでひっくり返る可能性もまだまだ残っている中、勝負は7走エース対決に託された。

 7走はウイニング44分、そして「問うことのできるすべての課題を盛り込んで、エース対決にふさわしいコース」「1985年3月にこの地で近代オリエンテーリングの活動を開始して以来、リレー競技では今まで一度もお目見えしなかった特長あるレッグを入れ込んだ」(プログラム8ページより)というプランナーも自信を持つコース。
今回のクラブカップではレース中に会場に姿を現すビジュブル区間は無かったが、1走と6走及び7走は上位の中間速報が会場に伝えられていた。7走の中間で最初に姿が確認されたのはやはりみちの会の柳下大だった。しかしその後にES関東C-Aの山口大助や静岡OLC-Aの松澤俊行も続く。

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みちの会のウイニングラン

 会場ではそれぞれのクラブの仲間たちがエースの帰りを待つ。そして最初に会場に姿を現したのはやはり柳下だった。「途中でミスもしたが、後ろから足音や気配もしなかったので、このままのペースで大丈夫だと冷静に行くことが出来た」という内容でレースを振り返る。

 そしてウイニングランで走っている最中に後方からES関東C-A山口も姿を現す。今一歩届かなかったが、30秒ほどの差まで追い上げてきた。そしてすぐに静岡OLC-A松澤も姿を現す。終わってみれば1位から3位までは僅か1分3秒差。クラブカップは最後の最後まで接戦だった。

 優勝したみちの会は1995年、第3回のクラブカップが初参加。そこから15年、唯一失格となったのも駒ヶ根だった。そして最後にして初優勝。それぞれに思い出はあるが、クラブカップの大事な場面は全部駒ヶ根だった。初参加当時は停滞気味だったクラブ活動がクラブカップ参加とともに活発化し始め、最近は新会員も増えクラブの世代交代もうまくいきつつある。そしてこの優勝は何よりも嬉しいことだろう。

 3位に入った静岡OLCは実は7人全員が制限選手。女性が2人に50歳以上のA制限選手が1名、40歳以上のB制限選手が1名、35歳以上のC制限選手が3名という構成だった。村越をA制限選手として扱えばもっと楽に勝てたかもしれない。しかしそれでも女子2名を含むミックスチームにしたのは、やはりクラブカップの基本ルールに則ったからか。(もともと制限選手は「女子2名をチーム構成員とすることが適わない場合」となっているので、女子選手を構成員とすることができるのならばそうするのがルール上は正しいと解釈できる。)
そして2位のES関東Cもメンバーのほとんどが30代中頃だった。実力者の加齢に伴い、制限選手の規定が合わなくなっていたとみるか、若い実力者の層が薄いと見るか。

以下、速報より

1 みちの会A  [3:53:50]
小林知彦 田島利佳 太田貴大 皆川美紀子 高橋元気 吉田勉 柳下大
0:29:52 9 0:30:28 10 0:41:11 3 0:23:17 3 0:19:46 4 0:40:07 5 0:49:09 5
0:29:52 23 1:00:20 7 1:41:31 3 2:04:48 1 2:24:34 1 3:04:41 1 3:53:50 1
2 ES関東C-A  [3:54:17]
大久保裕介 小暮喜代志 山本真司 土井聡 渡辺円香 加藤弘之 山口大助
0:28:06 5 0:27:46 1 0:50:19 37 0:23:03 2 0:20:11 5 0:40:15 6 0:44:37 2
0:28:06 9 0:55:52 3 1:46:11 7 2:09:14 4 2:29:25 2 3:09:40 4 3:54:17 2
3 静岡OLC-A  [3:54:53]
田濃邦彦 和久田好秀 平井均 稲葉茜 若山亜美里 村越真 松澤俊行
0:30:39 10 0:26:20 1 0:41:57 4 0:30:03 23 0:27:04 27 0:35:30 1 0:43:20 1
0:30:39 26 0:56:59 4 1:38:56 1 2:08:59 3 2:36:03 6 3:11:33 5 3:54:53 3
4 京葉OLクラブA  [4:03:31]
小見山 斉彰 大塚 友一 神山 康 小山 清 齋藤 和助 櫻本 信一郎 寺垣内 航
0:28:37 5 0:36:26 23 0:49:50 33 0:26:06 7 0:19:26 2 0:37:11 4 0:45:55 3
0:28:37 12 1:05:03 20 1:54:53 19 2:20:59 17 2:40:25 8 3:17:36 7 4:03:31 4
5 朱雀OK-A  [4:03:40]
金谷敏行 深川陽平 入谷健元 関谷麻里絵 加納尚子 海老成直 寺村大
0:27:59 3 0:29:56 9 0:43:36 6 0:30:52 24 0:19:11 2 0:36:04 2 0:56:02 12
0:27:59 6 0:57:55 5 1:41:31 3 2:12:23 6 2:31:34 4 3:07:38 2 4:03:40 5
6 多摩OL-A  [4:07:25]
宇野夏樹 菅原琢 三野隆志 鈴木規弘 Joerg Vetter 多田宗弘 円井基史
0:32:08 12 0:29:49 5 0:44:32 8 0:30:34 20 0:19:41 3 0:39:22 2 0:51:19 7
0:32:08 36 1:01:57 11 1:46:29 9 2:17:03 11 2:36:44 7 3:16:06 6 4:07:25 6
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上位チームの順位変動

 右の図は上位10チームの順位変動をグラフにしたもの。(クリックすると拡大されます。)今回もなかなか順位変動が激しかった。また、7人という数からなのか、序盤で上位にいなくても十分に上位を狙えるということがわかる。

 また、各チームの1走区を1つのレッグとして見立てたラップファイルを用意した。(タイムなどは2010/9/20時点の速報に基づく。)これを見るとチームごとの巡航速度なども表示される。数字自体にそこまでの意味はないが、データを楽しむための材料の1つとしては面白いだろう。

解析結果のhtml版はコチラから。

 事前の発表通り、クラブカップは今回で最終回となり幕を閉じる。そして今後についてが閉会式で山川氏より語られた。
「クラブカップは終了するが、個人としてはまだまだ家族を養っていかなければならないし、クラブで楽しめる場の継続的な提供はこれからも行っていく。それが自分の存在理由でもあるから。
その”次”については、自身の名を冠する大会にする、山川杯は既にインカレ関係で存在しているので”山川記念杯”という名称にする。中身はまだ決まっていない。共にやってくれる人を募集しており、一緒に一から創りあげたい。」
というようなことが語られた。

 クラブカップが無くなってもオリエンテーリングが、その楽しみが終わるわけではない。山川氏の活動も、まだまだ続く。選手としてでも、イベント開催者としてでも、オリエンテーリングに関わり幸せになれる人が一人でも増えることを願う。

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One thought on “最後のクラブカップ、みちの会が優勝!ークラブカップ2010”

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    「山川記念杯」は略して「やまメモ」と呼んでください、とのことでした。「メモ」は「メモリアル」の頭2文字です。

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