JWOC/WUOC秋田合宿

 22,23日と秋田県の『飯島砂防林』にてJWOCとWUOCの日本代表合宿が開かれた。関東以西では降雨に悩まされた週末だったが、この秋田の地は両日とも晴れ渡り格好の練習日和となった。

 飯島砂防林と言えば2001年に行われたワールドゲームズ秋田大会のオリエンテーリング種目で使用されたテレインだ。(当時の様子
当時も日本離れした微地形のテレインに多くの選手が苦しめられたが、その後ビッグイベントで使われることは無かった。日本でできる北欧対策の1つとしてなるべく似ているテレインでの練習を、ということで今回の合宿地に選ばれた。

 いくらいいテレインとはいえ、最後のリリースから10年近くも経っているのでは現地と地図との違いも大きくなってくる。そこで今回の合宿のためにRob Plowright氏が1週間かけて地図をリメイク、さらに合宿メニューまで作成している。

 せっかくの機会だからなるべく多くの時間を練習に使いたい、しかし多くの選手からは遠隔地にあるため、金曜の夕方過ぎに出発して深夜に秋田着で宿泊という形も取られた。
逆のルートで東北大や岩手大の学生が愛知の大会や合宿に来ることもよくあるが、同じような距離を実際に移動してみるとその大変さがよくわかる。

 1日目の最初のメニューはテレインウォーク。縮尺1:7500、等高線間隔2.5mの地図を持ってテレイン内を歩き地形がどのように描いてあるのか、対応させることはできるのか等を作図者のロブの話を聞きながら確認していった。
ここで重要なことの1つとしては「ゆっくり見れば対応させることはできる。がレースで走っているときはそれはできない、やる必要はない」ということ。

 続いて短いコース3つを使ったサーキットメニュー。白い林を使った2コースでは快調に飛ばす選手、それで油断したのか2コース目で大きくミスする選手などそれぞれがレースペースで走ったときにどう映るかを確かめた。最後の1コースは主に藪の中のコースとなっており、見通しの悪い中での微地形の処理が求められた。さすがにこれは難しく大きなミスを生んでいた。

 お昼を挟んで3つ目のメニューはメモリOが行われた。2人1組で行われ、以下の要領で行われる。

  • 選手Aが1までのプランをし、記憶する。
  • プランし終わったら地図を選手Bに渡して1へ向かう。選手Bは選手Aについていきながら1→2のプランをする。
  • 1についたら選手Aに地図を渡し2へ向かう。選手Aは選手Bについていきながら2→3のプランをする。
  • 以下繰り返し。コントロールに着いたときに次のプランがまだ決まっていないときは決まるまで地図を読んでいていい。

 このメニューはメモリーの多さやプランの早さではなく、プランの単純化がポイントとなる。特に今回のような微地形で余計なものをチェックすることなく、どんなものが使えるのか使うべきかという事が重要になってくる。

 そして最後に一斉スタートでのファシュタ形式のメニューが行われた。さすがに4つ目のメニューともなると選手も疲れてきてはいるがどの選手も精力的にこなしていた。夜にはミーティングでメニューの反省などが行われ、1日みっちりと組まれた練習もひとまず終了。

 明けて23日、最初のメニューはテレイン北部を使ってのトレーニング。このメニューでは道が描かれていない地図を使用。地形情報だけで、そして主に直進技術を使ってコースをまわる練習。道が描かれていないために大きくミスしたときに確実にわかる特徴物がほとんどない。その状態で何を見るか何を使うかというのが重要だったようだ。

 2つ目のメニューはコントロールピッキング+リロケートOが行われた。最初の幾つかはレッグ間の短いコントロールピッキングを行い、途中からは2人1組でのリロケートOとなる。
リロケートOは以下の要領で行われる。

  • 選手Aの地図には△-1間に青丸が描かれており、選手Aは△から1ではなく青丸(付近)へ向かう。
  • 選手Bは地図を見ずについていく。青丸地点に着いたら選手Aは立ち止まり、ここが青丸地点だと告げる。
  • 選手Bはこれまで通った地形等からリロケートし1へと向かう。
  • 2へ着いたら逆に選手Bが次の青丸に進み(この青丸は選手Bの地図にしか描かれていない)選手Aは地図を見ずについて行く
  • 以下繰り返し

 合宿最後のメニューはこれまでのまとめとしてのレース。見通しがよく走りやすい林、藪の中の微地形などが組み込まれたコースで競われた。
このレースの結果がどうとなるものでもないが、2日間の練習の手応えをそれぞれ感じてのレースとなったようだ。

 今回の合宿ではJWOCとユニバー、そして男女も含めて全員に同じメニュー・コースが提供された。もちろんそれぞれの体力や身体の状態によって量を調整することは出来たが、ほとんどの選手がすべてのメニューをこなしていたようだ。
2日間で7メニュー。特にJWOC女子などにとっては、かなりタフな合宿だったと思われるが全員がこの機会を最大限に利用しようと取り組んでいる姿が見られた。

 JWOCは7月5-10日にデンマークで、WUOCは7月19-23日にスウェーデンでそれぞれ行われる。

 今回のテレインは筆者はワールドゲームズ以来9年ぶりに入ったが走りやすくAの林は明るく気持ちのいいテレインのままだった。だがこの時期、松の花粉がひどかった。
少し林に入っているだけで花粉が体中に付き黄緑に染まっていく。(激しいとチョークの粉を被ったかのようだった。)地面の砂も若干だが黄緑色に染まっていた。これにかぶれてしまう人もいたので、こういうテレインの場合はそれ対策も必要だったようだ。
風も強く、花粉が目に入って痛い。枝などによる失明対策目的だけでなくこういう場合もスポーツグラスが有効なのでは、と思わせてくれた。

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