世界レベルの極上ロングに挑戦!-FUJIシリーズ2010プレイベント

 「村山口登山道」リニューアル記念&FUJIシリーズ2010プレイベントは27日、静岡県の『村山口登山道』にて行われ、MOクラスは鹿島田浩二(渋谷で走る会)が、WOクラスは渡辺円香(ES関東C)がそれぞれトップタイムを取った。

 前日からの雨がイベント当日の朝まで続いたものの気温は高く、季節を間違えたかのような空気だった。今回のイベントはFUJIシリーズ2010のプレイベントという位置づけで翌日の静岡大大会に合わせて開催された。
FUJIシリーズ2010は静岡県が持つ富士の良質なテレインを使って2010年を通して行われるシリーズ戦で、今回はそのためのお試し的なイベントだった。クラス分けやスタートを始めとした運営方法など通常の大会とは少し違う手法を取り、その参加者からの反応を得るという目的もあったようだ。

 プレイベントという名称、静岡大大会の前日という日程から多くの人がお気軽なイベントを想像していた。が要項を見ればMOクラスの距離は9kmでありコースプランナーはロブなのだから、しっかりとしたロングが提供されることも想像できたはずだった。
そしてプログラムを見るとそこには…

* コース1と2はWOC ロング予選と同じレベルです。コース1は世界トップクラスの男子が60分、コース2は同じく女子が45分で走ります。」

との言葉が。いきなり世界レベルと言われ、これは気合を入れないとヤバいかも…と今さらながら筆者は気づき始めた。世界のトップで60分、だとしたら日本のトップは?それに対して自分なら?

 スタートの頃にはまだ温かかく雨もほとんど降っていなかったのだがレースが進むに連れてまた雨も激しくなっていった。そして十分に歯ごたえの在るコース。これは十分に準備して臨んでもまったくおかしくないイベントだった。
公式サイトのコメントでも「久々に1kmを超える○○ロングレッグが」という言葉があり、14-15を見たときに「遂にきたか」と思ったが、それはそこで終わらなかった。そのロングレッグを終えて一息ついたところ(1レッグ挟んで)でまたもや超々ロングレッグが待ち構えていた。どちらもルートチョイスの重要なロングレッグだったが14-15は下り基調ではあるものの斜面を斜めにいくようなレッグで、どのラインをどこで乗り換えるかというものであり、16-17はさらに選択肢の広い大胆なレッグだった。
このロングレッグが序盤ならまだしも、だいぶ消耗してテレインの一番奥の方まで来てからだったというのがまた曲者。これが世界レベルか。

 この「世界トップクラスの男子が60分」というコースを鹿島田が75分でフィニッシュ。加藤弘之・松澤俊行も70分台でのフィニッシュとなった。世界レベルでのウィニングタイム60分に対して125%程だろうか。上位は強化指定選手らが入っていたが、そのあともそこまで大きなタイム差もなく選手が続き山上大智、田中裕也(ともに東大OLK)ら大学生も続く。少なくとも日本トップレベルまでは道は続いているように見える。
そして普段世界のトップレベルを意識することの無いレベルでも自分と日本トップとの差、世界トップとの差を同時に感じることが出来たのは面白かった。筆者はM21Aクラス中位だと思っているが世界トップレベルの200%超。世界のトップは日本のM21Aの2倍速いようだ。

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MOクラス上位ルート図

 今回のコースプランナーであるロブさんからコメントを貰っている。英語で貰っているので一応筆者による簡単な日本語訳も付記する。

This course was set to be the same winning time (for the world best runners) as WOC long qualification race. Also I wanted to set some real long legs which are unusual in Japan.

14-15. Most runners went almost straight. I thought that maybe the route Kato took would be quite fast but it was actually over 1 minute slower.

16-17. Again most runner went almost straight. But going straight meant running around lots of やぶ, climbing up and down some valleys and quite difficult navigation on many small paths. Konno took the fastest route that many runners did not even consider. This route was all flat or down hill and mostly running on roads or large paths with no turns so the navigation was easy and he could run very fast and be over 1 minute faster than everyone else. This proves that you should always consider wide route choices in this terrain.

日本語訳(簡単な訳なので、ちゃんとロブの意図を理解したい人は上記英文で読んでください。)

このコースは世界トップレベルの選手による世界選手権ロング予選のウィニングタイムに合わせて組まれています。そしてまた、日本では普段無いような本当のロングレッグというものを組み入れたかったのです。

14-15. ほとんどの選手はほぼまっすぐなルートを取りました。私としてはおそらく加藤のルートが1番速いと思います。しかし実際には1分ほど遅かった。

16-17. こちらもまた多くの選手はまっすぐ気味のルートを行きました。だけど真っ直ぐいくと多くの藪を回り幾つかの尾根沢を登り下りしなければならないし、小さな道を繋ぐという難しいナビゲーションがあります。
紺野は他の多くの選手が思いつかなかった最速のルートを取りました。このルートはずっと平らもしくは下りであり、その殆どを道か広い小径を曲がり無しに走ることができます。これはナビゲーションも簡単で、紺野は他の選手よりも1分速く走ることが出来ました。
これはこのテレインにおいていつでも広いルートチョイスを考える必要があることを教えてくれます。

日程 競技種目 テレイン
4月4日 Long 村山口
4月11日 Middle 村山日沢
5月8日 Middle 丸火
5月9日 Long 丸火
9月11日 Middle 高密
9月12日 Sprint こどもの国
11月13日 Sprint 奇跡の森
11月14日 Long 奇跡の森

 FUJIシリーズ2010はこのあと右表のような日程と場所で行われるようだ。ロブはこうも語る。
富士は良質なテレインを幾つも持っているが、最近はあまり活用できていなかった。それを使いたいというのも1つであり、またその運営においてはもっとシンプルなものにしたい。
日本の多くの運営は非常に面倒(例えば試走を2回も3回もやらなくてはならない)で無駄があると思う。もっと簡単で楽しいイベントをもっとたくさんやっていきたい。

 ここしばらく表舞台からは遠ざかっていたように思えたロブがいよいよ動き出した。そんな印象を受けた。このFUJIシリーズ2010を始め、今年からはますます静岡から目が離せなくなってくるかもしれない。

速報より、

MA – 9.5km ↑380m
1 鹿島田 浩二 1:15:15 渋谷で走る会
2 加藤 弘之 1:17:14 ES関東C
3 松澤 俊行 1:18:49 松塾
4 柳下 大 1:23:55 みちの会
5 山口 大助 1:24:30 ES関東C
6 佐々木 良宜 1:32:26 ときわ走林会
WA – 6km ↑250m
1 渡辺 円香 1:05:20 ES関東C
2 井手 恵理子 1:09:43 朱雀OK
3 斎藤 早生 1:13:11 チーム白樺
4 山口 季見子 1:13:57 ES関東C
5 宮川 早穂 1:27:00 ES関東C
6 番場 洋子 1:36:19 ぞんび~ず

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