関西からのメッセージ-第5回:学生クラブへの支援

 今日に至るまで、オリエンテーリングの競技人口拡大に最大の貢献をしているのは、間違いなく学生クラブであろう。たしかに、学生数の減少や学生のサークル離れ・スポーツ離れにより、学生クラブを取り巻く環境は厳しい。普及活動を学生任せにしていてはオリエンテーリングの発展はない、という村越さんのご指摘(「特集・普及への取組み」オリエンテーリングマガジン2007.4参照)はそのとおりである。

それでも、学生クラブがしっかりとした基盤を有していれば、彼らは、毎年地域クラブではとても不可能な数の新メンバーを獲得し、育成していく。(実際、本年度、京都大学は10名を超える新人を獲得しており、やりようによっては、学生クラブの衰退は防ぎうるという期待を抱かせる。)そして、学生と社会人が競いあったり、OBが地域クラブに入ることで、地域全体が活性化し、競技人口も増えていく。また、関西においては学生達が競技機会を多く提供している。学生クラブは、地域の活性化にとって、重要な役割を果たしているのである。

逆に、学生クラブの力が弱まれば地域にじわじわと悪影響を及ぼすことになる。現在、関西は残念ながらそうした局面に入っている。この状態を打開するには、大学単位でのOB・OGによる支援にとどまらず、地域全体で学生クラブを支援する取組みを強化していく必要があると考えている。以下に、いくつか具体策を記す。

○オリエンテーリングの機会の提供

 地域クラブとして、学生がオリエンテーリングをする機会を提供していくことも重要である。学生は、長年、定例戦やセレクション、ウエスタンカップの開催という形で競技の場を提供してくれている。地域クラブとしても(それぞれ容易には出来ない事情があるだろうが)大会や練習会の開催により、少しでも多く学生に競技機会を提供することが必要だろう。

○技術的支援

クラブメンバーの数の減少により、学生クラブ内で先輩が後輩を指導するという機能が低下しているおそれがある。社会人が技術的指導を行う機会を設け、直接、テコ入れすることが必要ではないか。大会・練習会を利用して「技術的支援」を行うことが現実的方策だろう。また、関西学連という枠組みを通じた方策が、関西全体という点では有益ではないか。

○動機づけ

 学生達がオリエンテーリングに取り組もう、レベルアップしようという動機づけを与えること。「機会の提供」「技術的支援」に加えて、レベルの高い社会人と触れ合う機会を作ったり、オリエンテーリング上達のための情報を積極的に提供することが考えられる。その意味で全日本リレーに学生が参加することは、非常に良い機会であると思う。各協会は、積極的に学生の参加を促すべきだろう。

○いかに継続させるか

 大学を卒業した学生をいかに競技の場にひき留めるかは、非常に重要な課題である。受け皿としての地域クラブが重要になるが、クラブ中核メンバーの年齢が高くなると、なかなか新卒者がクラブに入るのは難しくなる。そうした中で、現役時代から学生とのつながりを作り、卒業後にクラブ会員として迎えるという大阪OLCの手法は、高く評価されるものであり、他クラブにも参考となるだろう。

上記対応方策において重要なことは、「社会人から学生に積極的にアプローチする」ということである。学生と知り合いになり、アドバイスをしたり、彼らの向上心を引き出していく。そして地域クラブへとつなげていく。そういった取組みが求められていると思う。そのためには、学生クラブが直面している問題や学生が社会人に期待すること、求めることを、学生が自ら発信していくことも重要だろう。

前回紹介した「ニュースレター」を活用して学生による情報発信の場を提供することや、学生と社会人との意見交換の場を設けることにより、関西における学生クラブ支援の動きを少しでも大きなものにしていきたいと考えている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です